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Whitening Note

ホワイトニングにおけるポリリン酸の効果とその副作用とは?

ホワイトニングにおけるポリリン酸の効果とその副作用とは?
医療法人社団ハーツデンタルクリニック 院長(歯科医師、歯学博士)監修
監修者 歯科医師 永橋克史 ハーツデンタルクリニック西白井駅前の院長。城西歯科大学(現 明海大学)卒業。仕事でうれしい時は思うような治療ができ、患者様に喜ばれ、お礼を言われたとき。
ハーツデンタルクリニック西白井駅前
監修者 歯学博士 高田耕司 日本歯科麻酔学会認定医、歯学博士。麻酔での無痛治療を得意としている。
ハーツデンタルクリニック八千代中央駅前
監修者 歯学博士 加瀬武士 ハーツデンタルクリニック谷塚駅前の院長。日本大学歯学部歯学科卒業。補綴学を専門分野としている。
ハーツデンタルクリニック谷塚駅前
近年、歯のホワイトニングをする方が増えていて、歯科医院ではなくエステサロンなどのホワイトニング専門のクリニックもでてきていて、ますますホワイトニングへの注目が高まっています。そのホワイトニング材料に関係して、ポリリン酸ナトリウムという言葉を耳にされた方もおられるかと思います。このポリリン酸ナトリウムは従来のホワイトニングとなにが違うのでしょうか。

ここでは、ポリリン酸ナトリウムとは一体どういったもので、どのようなメカニズムでホワイトニングに使用されているのかなどについて、説明します。

 

ポリリン酸の歯のホワイトニングにおける効果とは何でしょうか?

ポリリン酸はリン酸がたくさんつながってできた化合物で、元々私達の体の中に存在して、生きていく上で必要な成分です。このポリリン酸ナトリウムには、着色を落とす効果があり、洗剤などに配合されている、変色を防止するために食品などによく添加されています。

この着色を落とす効果に注目して、最近歯のホワイトニングにも使用され始めてきました。

 

ポリリン酸を使うと通常のホワイトニングよりもどんな差がでてくるのでしょうか?

 

ポリリン酸配合のホワイトニング剤

ポリリン酸ナトリウムをホワイトニング剤に配合する時には、従来のホワイトニングに含まれる高濃度の過酸化水素も含まれています。理由は、ポリリン酸ナトリウムは歯の表面の着色を除去する働きがありますが、過酸化水素のように歯の内部まで浸透して歯を白くする働きがないからです。歯の内面からホワイトニング(歯自体の色を白くする)を行うのは、従来から使用されている過酸化水素が担当します。

ですので、基本的にポリリン酸ナトリウムを配合しているホワイトニング剤も従来のホワイトニング剤と、歯を白くするメカニズムは変わりません。

 

ポリリン酸ナトリウムを配合する理由

それではなぜ、ポリリン酸ナトリウムを配合する必要があるのでしょうか。歯のホワイトニングを実際に行うと、多くの方が歯に沁みる、歯肉が沁みるなどの症状を訴える事が多いです。

これは、ホワイトニング剤に配合されている過酸化水素が原因でおこります。過酸化水素は劇薬で、ホワイトニング剤として塗布すると歯や歯肉に強い刺激を与え、上述の不快症状を引き起こします。そこで、ホワイトニング剤にポリリン酸ナトリウムを配合する事により、歯の表面のクリーニング効果は維持したまま、過酸化水素の濃度抑え、口腔内への刺激を少なくする事ができます。

ですので、ポリリン酸ナトリウムを配合する事によって、よりいっそうホワイトニング効果が得られるわけではないのですが、より歯や歯肉にやさしいホワイトニング剤が使用できるという事になるので、今まで以上に安心してホワイトニングを行う事ができます。

 

ポリリン酸配合による他のメリット

ポリリン酸ナトリウムを含むホワイトニングには、上述の身体に優しいという点の他にも、以下のメリットがあります。

○ホワイトニング剤のコストが抑えられる。
○刺激が従来のホワイトニング剤よりも少ないので、一日に何度でも使用できる。
○ポリリン酸ナトリウムは歯周病菌や虫歯菌などへの抗菌作用がある。
○ポリリン酸ナトリウムは歯の表面へのコーティング作用があり、ホワイトニング後の食事制限がいらなくなる。
○上述のコーティングによりホワイトニング後の着色もある程度防止できる。
○ポリリン酸ナトリウムは歯石の除去、再付着の防止効果もある。

等があります。

ホワイトニングエステで使用されているホワイトニング剤には法律上、高濃度の過酸化水素が含まれていないために、歯そのものを白くする効果はなく、ほとんどがこのポリリン酸ナトリウムのような成分を利用していて、歯の表面の着色を落とす事のみに特化していると言えるかと思います。

 

ポリリン酸を使うために心配される副作用はあるのでしょうか?

ポリリン酸は上述のとおり、私達の体の中に存在しているものなので、害はありません。ただし、一度に過剰に摂取すると、下痢をおこすことがありますので、その点は注意して下さい。

 

まとめ

ポリリン酸ナトリウムを配合したホワイトニング剤は歯の表面の着色やヤニなどを落としたい人に向いているという事がいえるでしょう。逆に、歯そのものの色を白くしたいという目的には合致していないと考えられます。ホワイトニングを行うのであれば、上述で説明した内容を踏まえ、ご自分のご希望に合う方法を選択されることをお勧めします。

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